国文学科
学科の特色
本学科は、北海道内の大学で国文学の全分野を学べる唯一の学科です。「日本語学・古典文学・近代文学」、「民話・民俗学」、「中国文化・漢文学」、「歴史・神道」、「文芸創作」、「教育学」、すべての分野で、充実した指導を行っています。また短大では北海道内で唯一、中学校教諭二種免許(国語)の資格が取得でき、図書館司書、ビジネス実務士など就職に有利な資格取得関連の科目も充実しています。
専攻・分野
古代から現代までの文学、言語、伝承、伝統文化や歴史を体系的に学習・研究します。
日本語学・古典文学・近代文学
日本における文学の起源や文字・文体の変化の歴史を紐解く講義のほか、萬葉集や源氏物語などを詳しく読み解く講義のなかから日本語のしくみや表現の豊かさを知り、その背景にある思想や美学などを学んでいきます。
また、森鷗外、夏目漱石、芥川龍之介など近現代の作家の作品を取り上げ、丁寧に読み込みながら文学的意義や作品の価値を紹介。明治、大正、昭和、平成という時代の社会状況と文学の関わりなどを総合的に学習します。
中国文化・漢文学分野
私たちが日常的に使う漢字の多くは、中国から伝わってきたもの。日本文化は古くから中国の文化・文学、思想などに深く影響を受けてきました。
本分野では、杜甫、李白、白居易などの漢詩のほか、孔子や老子の思想、陰陽道にも繋がる五行思想なども取り上げ、漢文や思想を学びながら中国の歴史や文化を理解していきます。
また、書道の授業では、文字と書の文化史を辿りながらさまざまな書体を学習し、毛筆による実技を修得します。
民話・民俗学分野
日本各地には、その地に古くから伝わる昔話や伝説・噂話があります。こうした民話の多くは、文字文化が生まれる以前に発生し、人から人へ語り継がれて来たもの。その背景には、人々の風習や美意識、宗教観などが存在しています。
本分野では、民間に伝わってきた有形・無形の文化を学びながら、それらが日本の文学作品や歴史とどのように関係しているかを明らかにしていきます。また、地域文化の研究としてアイヌ伝承にも着目し、その文化や言語も学んでいきます。
歴史・神道分野
近年、日本の歴史への関心が高まっています。本学科では日本史、考古学などの科目を通じて、歴史学を研究する意義や心構えを学び、古文書や絵図などの資料を読み解く力を養います。また、学生一人ひとりの研究テーマに合わせ、個別指導を行います。
神道学・宗教学においては、まず「宗教とは何か」「神とは何か」を掘り下げながら世界の宗教の役割や意義を知り、日本独自の宗教である神道について学んでいきます。神道は身近な生活文化のなかに息づいており、日本文化の基礎を成すものです。また、国学院大学の神道文化学部へ編入学することで神職の資格が取得可能となります。
文芸創作分野
「小説を書きたい!」「詩を書いてみたい」「短歌を詠みたい」など、創作意欲に溢れた人は多くいますが、自分の中に沸き起こるエネルギーをただ文字に書き表しただけでは、独りよがりになってしまいます。書くためにはたくさんの作品を読み、豊かな語彙を身につけ、表現方法を知ることが重要となります。
この分野で学べるジャンルは、児童文学、エッセイ、小説や詩、短歌、俳句など実に多彩。いずれにおいても、まずは名作と言われる作品を数多く読み込み、読解力・表現力を養いながら、一人ひとりの創作力を高めていきます。
編入学を目指す人は
各コースでの学びが国学院大学への編入学にも直結しています。編入学後も円滑に単位を取得し上位の成績が修められるよう、古典や漢文学などの補習や国学院大学の教授陣による集中講義も充実しています。
国学院大学の編入学対象学科
- 文学部
(日本文学科・中国文学科・史学科) - 神道文化学部神道文化学科
編入学を希望する方のカリキュラム<参考>
※国学院大学文学部 (日本文学科編入学・教職希望)
◆1年次
時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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1 | 前 期 |
漢文学概説Ⅰ | 国文総論 | 日本文学購読A | 教育行政学 | ||
後 期 |
漢文学概説Ⅱ | ||||||
2 | 前 期 |
パソコン | 近代文学概説A | 国文基礎演習 | 国学Ⅰ | ||
後 期 |
近代文学概説B | 卒業論文Ⅰ | 教育実習Ⅰ | 日本文学講読B | |||
3 | 前 期 |
法学 (日本国憲法) |
教育方法論 | 教職入門 | |||
後 期 |
国語表現法A | 教育心理 | 教育原理 | ||||
4 | 前 期 |
英会話Ⅰ | 書道A | 中国語Ⅰ | 日本文学概説Ⅰ | 介護等体験 | |
後 期 |
英会話Ⅱ | 日本の 伝統と文化 |
中国語Ⅱ | スポーツ演習B | 日本文学概説Ⅱ | 生徒指導 | |
5 | 前 期 |
スポーツ演習A | 伝承文学概説Ⅰ | ||||
後 期 |
国語科教育方法 | 伝承文学概説Ⅱ |
<集中講義>日本文学史B、日本文学特殊講義
カリキュラムモデルの参考
就職を目指す人は
専門職の資格取得を目指す国語力の養成
各コースで専門分野を学びながら「図書館司書資格」を取得します。将来、教員を目指す人は国学院大学への編入学で「中学校(二種から一種)」と「高校(一種)」の二つの教員免許状を取得することができます。
仕事に必要な能力を身につけるビジネス実務
卒業後、一般企業や公務員の就職に対応できるよう「ビジネス実務士」「情報処理士」「簿記検定」など実際の仕事に役立つ資格を取得します。さらに、2~3週間の「インターシップ」で実際の職場で就業体験を行い、希望する業種や職種で通用する力を養います。